本市では、産学公金が連携する「宇部市成長産業推進協議会」を設置し、医療・健康や環境・エネルギー、次世代技術に関連する分野を成長産業分野と位置づけ、その創出・育成による地域産業力の強化に取り組んでいます。
このたび、脳疾患治療の新時代を切り開くため、山口大学から誕生した、スタートアップ企業「(株)ADDVEMO(アドビーモ)」が、本市の補助金を活用し、本格的に事業をスタートさせます。

1.合同記者会見概要
日時 令和7年11月14日(金)13時30分から
場所 宇部市役所本庁3階 応接室
【主な出席者】

2.事業概要
脳神経疾患の創薬では、血液脳関門(BBB:Blood Brain Barrier)の物質選択性が大きな課題となり、薬剤が脳内に移行することを阻んでいます。これまで、BBBの物質選択性を生体外で正確に再現することが難しく、そのため薬剤開発に多くの時間がかかる状況でした。
ADDVEMO社が開発したBBBモデルキット「cuBe kit(キュービーキット)」は、ヒトBBBの構造と機能を生体外で再現することが可能であり、新薬候補の脳内透過性や脳内での効果を迅速に評価できるという大きな強みがあります。ADDVEMO社は、「cuBe kit」の製造・販売に加え、このキットを活用した受託試験や新規医薬品の開発に取り組んでいきます。
3.出席者コメント
【宇部市長】
ADDVEMO様におかれては、令和3年度の成長産業推進協議会で認定プロジェクトとして認定をし、一つ一つ様々な課題を乗り越えて昨年起業され、いよいよ本格的に事業をスタートされるということで、心より敬意と御礼を申し上げる。
本市に医療関係の産業の集積が進むことに期待している。
また、人口減少対策に取り組む中にあって、次世代を担う産業が生まれてくることは、若い人たちが集まってくる大きな起爆剤になるものと非常に期待をしており、引き続き伴走支援をしっかりと継続していく。
【株式会社ADDVEMO 代表取締役 竹下 幸男】
ヒトの脳と血管を再現できる技術を持っているのは唯一ADDVEMO社だけである。この技術を活用し、まずは認知症の薬を創ることを目標にしたい。
ここまで12年ほどかかったが、山口大学、県、市による支援なしにはたどり着けなかった。
宇部市の高等教育機関や企業、研究機関の集積や、東京まで近いという地域特性などから、宇部市での起業を選択した。国内の大手製薬会社と形成している共同コンソーシアムにより連携して薬を作るというモデルを世界標準にしていくと同時に、この宇部市で創薬の開発製造の拠点化を進めていきたいと考えている。
【国立大学法人山口大学 理事・副学長(学術研究担当) 上西 研】
山口大学は、令和5年に策定した「明日の山口大学ビジョン2030」で、重点戦略の一つに「地域イノベーション・エコシステムの構築」を掲げ、そのエコシステムのプレイヤーとして極めて重要な大学発スタートアップの支援に、大学を挙げて全力で取り組んでいる。
そんな中、昨年度設立されたADDVEMO社の取組は、高齢化が進む我が国だけでなく、世界中に多くの患者さんがいる脳疾患を解決しようというものであり、ADDVEMO社の成長に大変期待をしている。
今後も山口大学はイノベーションの源泉となる独創的な研究成果を次々に生み出し、それらの研究成果を社会実装するためのスタートアップにより、様々な社会課題解決や宇部市の成長に貢献していきたい。
4.その他
・会社概要
