現状・課題
心臓超音波検査(心エコー検査)は、放射線被曝を伴わず、体表から非侵襲的に心臓の形態、機能及び血流をリアルタイムに評価できることから、循環器診療に欠かせない基幹的な画像診断法です。心不全、弁膜症、先天性心疾患、虚血性心疾患など、多様な心疾患の診断、重症度評価及び治療方針の検討において重要な役割を担っています。

図1 心エコー習得の難さ ── プローブ角度による断面の変化
一方、心エコー検査では、プローブのわずかな位置や角度の違いによって得られる二次元の断層像が大きく変化します。そのため、技能の習得には、二次元の心エコー画像と三次元の心臓構造を結び付けて理解する空間認識力と、適切な断面を描出するプローブ操作技能が求められます。検者の経験や技能によって断面描出や評価の再現性に差が生じ得ることから、効率的かつ均質な教育・訓練環境の整備が課題となっています。

図2 心エコー教育における現状・課題
研究開発概要
本事業では、心臓超音波検査の教育・訓練支援を目的として、CT DICOMデータから三次元心臓モデルを構築し、裸眼立体視ディスプレイ上に表示するシミュレーションシステムを開発します。
ハンドトラッキングセンサーで仮想プローブの位置及び角度を検出し、その操作に連動して、組織境界における反射、深部減衰、散乱、スペックル及び音響陰影などの超音波特有の要素を反映した疑似心エコー画像をリアルタイムに生成します。三次元心臓モデルと二次元の疑似心エコー画像を同期して表示することで、心臓の立体構造とプローブ操作によって得られる断面との対応関係を直感的に学習できる教育・訓練基盤の実現を目指します。

図3 システム全体構成と最終製品イメージ

図4 新しい心エコー教育シミュレータの開発
