現状・課題
近年、整形外科手術において、新たな術式の普及により、人工関節や骨折部を固定するために使用する骨セメントの需要は増加してします。しかし、現在、日本で使用されている骨セメントはすべて海外製であり、整形外科の治療機器全体でも海外製の割合が非常に高いのが実情です。
国内承認済みの海外製骨セメントについて物理的特性試験を行ったところ、すべての国際基準を満たしていた製品はごく一部にとどまりました。さらに、これらの骨セメントは日本人の骨質を考慮した検証がなされておらず、日本人にとって最適な製品であるとは言い難い状況です。現状では、強度と安全性を兼ね備え、かつ、日本人の骨質に適した骨セメントは国内外を問わず存在していない状況です。
研究開発概要
従来の骨セメントに対して、材料成分等を見直すことで強度と安全性を確保しながら、国際規格が要求する仕様に完全に準拠した、日本人の骨質に適した国産骨セメントの開発を目指します。併せて、国内において未整備である国際規格に完全準拠した骨セメント評価試験環境及びプロトコルを確立し、新規薬機承認に向けた準備を完了します。

