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濃度差発電(RED)技術の実用化に向けた実証システム開発・事業化プロジェクト

   実施者名 :株式会社Blue Water Energy

◆ビジョン

海水と淡水の塩分濃度差を利用してイオン交換膜を介したイオン移動により発電する濃度差発電(RED:Reverse Electrodialysis)技術の実用化を目指し、地域のエネルギー自給率向上と脱炭素化に貢献します。

 

濃度差発電技術とは

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、効率的かつ環境負荷の少ない再生可能エネルギーが求められています。しかしながら、既存の太陽光や風力発電には、天候や時間帯に依存するという課題があります。

株式会社Blue Water Energy(BWE)は、海水と淡水の塩分濃度差を利用して発電する「濃度差発電(RED:Reverse Electrodialysis)技術」に基づく発電システムを開発しています。
この技術はイオン交換膜を介して海水と淡水との間のイオン移動を促し、持続的な電力供給を可能にする革新的な方法です。

山口大学比嘉研究室の技術により、実証試験用スタック(総膜面積 90m²)で発電密度 1.42W/m²という世界最高記録を達成しました。これは従来技術(0.4-0.5W/m²)の約 3 倍という革命的な性能向上であり、濃度差発電の事業化が大きく進展しました。

 

事業メリット

発電にあたり、燃焼プロセスがないためCO2の排出はゼロであり、海水と淡水という身近な資源があれば、24時間365日天候に左右されず発電できるという強みがあります。
また、太陽光発電の約50分の1のスペースで地上地下問わず設置可能という汎用性の高さを持っています。
さらに、既存の水処理インフラや工業施設との親和性が極めて高く、大規模な新規投資を必要とせずに導入できるため、実用化への障壁が大幅に軽減され、分散型自立電源としての価値も提供します。

 

大型外部資金での採択

この技術開発は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「マテリアル事業化イノベーション・育成エコシステムの構築」の一環として位置付けられ、2023年度~2025年度において7.5億円の採択を受けるプロジェクトとして選出されています。本プロジェクトの中での目標として位置付けていた新会社として、2025年4月にBWEを設立しました。

 

将来展望について

宇部市を中心とした、製造拠点、研究開発施設、実証施設の設置を計画しており、技術の担い手が日本各地から集結し、かつ、若手の流出を防ぎ、市内での雇用も創出していきます。
2029年から国内市場に展開し、さらに、2033年からは海外市場への進出を予定しています。