現状と課題
整形外科用インプラントは、毒性、細胞毒性、感作性の面で生物学的に評価された様々な生体材料から開発されており、欠損した関節や骨を補うため、または損傷した骨を支えるために製造される医療機器である。主にステンレス鋼やチタンを使用して製造され、脊椎・脊髄損傷や頚椎胸椎を含めて脊柱管狭窄症の治療等に用いられている。
関節炎、変形性関節症などの整形外科的損傷や疾患の有病率の増加、整形外科的障害を起こしやすい老年人口の増加などとともに、技術革新やロボット支援手術器具の普及が世界市場の成長をけん引している。一方で、治療のための整形外科用インプラントを含む処置に関連する高コスト化が市場成長の制約要因となっている。
また、医療機器において、日本の医療機器メーカーは診断機器分野で高いシェアを持つものの、治療機器分野においては、外資系企業が高いシェアを確保している。
外資系企業の寡占状態であることに加えて、日本における医療用治療機器の開発は厳格な安全規制に基づいて行われていることや製造者責任を負うリスク等が、日本の中小企業が新規参入する際の大きな障壁となっている。
研究開発概要
当社では、山口大学「医工獣産学連携による医療技術・機器開発センター構想」研究拠点構想に参画。専門家の支援などを得ることで医療機器開発に向けた障壁を乗り越える好機であると考え、中小企業では最も困難と思われる「体内埋め込み治療デバイスの開発」に挑戦する。
①体内インプラント向け高精度切削加工技術の確立
②医療機器製造業取得
③カスタムメイド・インプラント開発可能性調査