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医療・健康分野 山口大学 大学院医学系研究科 助教 富永 直臣

とみなが なおおみ

略歴

2012年 4月 大阪大学 大学院医学系研究科 医科学 修士課程 修了
2016年 3月 東京大学 大学院医学系研究科 病因・病理学 博士課程 修了
2014年 4月 日本学術振興会特別研究員(DC2)(~2016年3月)
2016年 4月 国立研究開発法人国立がん研究センター研究所
       分子細胞治療研究分野 HOPEシニアリサーチフェロー
2016年11月 ハワイ大学がんセンター Postdoctoral Fellow
2017年 9月 東京大学 医科学研究所 分子療法分野 特任研究員
2017年11月 日本学術振興会 海外特別研究員(~2019年10月)
       マサチューセッツ工科大学 生物学 Postdoctoral Associate
2021年 3月 山口大学大学院医学系研究科 病態検査学講座 助教(現)
2021年10月 ライフサイクルを通した臓器間ネットワークの統合的理解研究
推進体(IINL) 研究代表(現)
2024年10月 細胞デザイン医科学研究所 先進細胞治療研究部門(現)

 

受賞歴

2023年10月 優秀賞 ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト – JHeC 2023
2023年 3月 最優秀賞 第3回 Yamaguchi Pitch Day in 松下村塾
2015年 4月 Scholarship Award, Breast cancer-derived extracellular vesicles promote brain metastasis via break down BBB, International Society for Extracellular Vesicles (ISEV) 2015
2013年 8月 Best Poster Award, Breast cancer cell derived-extracellular vesicles promote blood-brain barrier disruption.

 

メッセージ

富永研究室(山口大学)では、私たちがなぜ病気になるのか、その根本的な原因を「細胞」というミクロな視点から探求しています。体をつくる小さな細胞たちの働きを詳しく調べることで、病気の謎を解き明かそうとしています。

研究の柱の一つが、細胞同士で情報をやり取りする「小さなカプセル(細胞外小胞)」の研究です。この小さなカプセルが、体の“老化”や、年齢と共に増える病気にどう関係しているのかを調べています。将来的には、このカプセルを利用して、薬を体の狙った場所へピンポイントで届ける新しい治療技術(ドラッグデリバリーシステム)への応用も目指しています。

また、病気のサインをいち早く見つけるための独自技術も開発しています。細胞の表面には、アンテナのように様々な情報を受け取る「タンパク質」があります。このタンパク質の数を正確に測る新しい方法を開発し、細胞の異常を精密に捉えようとしています。この技術は、将来、一人ひとりの遺伝情報に合わせた「オーダーメイド医療(ゲノム医療)」の実現にも貢献します。

さらに、「ディスフェリン」という特定のタンパク質の異常が原因で起こる筋肉の病気(筋ジストロフィー)についても研究を進めています。なぜ筋肉がうまく機能しなくなるのか、その原因を根本から解明しようとしています。

このように、細胞同士のコミュニケーションという視点を中心に、病気の原因解明から、未来の診断・治療法の開発まで、幅広く研究に取り組んでいます。